東京証券取引所によると、昨日は3月決算の企業全体の3割近くに当たる600社以上が株主総会を開催したそうです。私も(数単元ずつですが)いくつかの上場会社の株主であるのでその招集通知がこの時期ラッシュで来ていました。
最近では議決権の行使も事前にスマホでQRを読み込ませてWeb上で回答しておけるのでわざわざハガキを返信する手間も省けます。そしてコロナ禍ということもあり株主総会自体も今はどこの上場会社でもオンライン配信を併用しています。私も株主番号とパスワードでログインすることでいくつかオンラインで参加(厳密には傍聴)しましたが、わざわざ出向かなくても会社の現状や経営方針がリアルタイムで確認できるのは素晴らしいですね。
さてそのオンラインでの株主総会ですが、一口にオンラインと言っても下図のように類型があります。

ハイブリットの「参加型」と「出席型」は似てて分かりにくいのですが、「参加型」はリアルな株主総会の模様をライブで見れるだけ、「出席型」は議決権行使や質問・動議もオンラインでできますよという違いです。過渡期だとは思いますが現時点で圧倒的に多いのはこのハイブリットの「参加型」です。いずれにしてもこれまでこういうオンライン開催は会社法的にはグレーだったのですが、経済産業省がハイブリッド型バーチャル株主総会の実施ガイドなどで指針を示したことやコロナ禍という事情もあり、今年は一気に増えてきたようです。今後コロナが収束しても、他の感染症や災害発生時など不測の事態への対応だけでなく、遠方の株主の利便性なども考えるとますますオンライン開催は増えていくでしょうね。
ただコンサルティングなどで企業に訪問する際にも言えることですが、リアルな株主総会に参加することは会場が本社でなくホテルなど別の場所だったとしても、役員や対応している社員の言動、会場の雰囲気などから感じたり見えたりしてくることが結構あるものです。これは財務諸表や株主資料では分からない情報です。ですから色々な事情はあるのでしょうが私としては「ハイブリット出席型」までとしてもらって、リアルでの会場参加ができる道は残しておいてほしいと思っています。